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知多市社協からのお知らせ

お知らせ 2024年3月1日(金)
令和5年度福祉体験作文コンクール入選!

令和5年度福祉体験作文コンクール 入選作品&入選者インタビュー

 愛知県社会福祉協議会主催の令和5年度福祉体験作文コンクールに知多市立旭南中学校2年生樋田さくらさんが入選されました。 入選作品全文と入選者のインタビューをご紹介いたします。

旭南中学校2年生 樋田さくらさん「普段の暮らしで幸せを感じる」

作文全文

 「人を幸せにするってことじゃない?」
福祉について考えるとき、私はこの言葉を必ず思い出す。
 夏休み前のある日、学校でボランティアを募集する、厚い冊子が配られた。私は母にやってみないかと誘われて、軽い気持ちでやってみることにした。そのときの私は、夏課題の福祉体験作文に、ボランティアで経験したことを書ければいいや、としか考えていなかった。
 私が体験することになったボランティアは、ある高齢者サロンだった。そこでは、たくさんの高齢者が話したり、工作をしたりしていてとても楽しそうだった。私がそこでおこなったのはサロンの運営の手伝いだった。私に任されたのは出来上がった料理を運ぶことと、お会計を手伝うことだった。失敗したこともあったけれど、楽しかったし、なにより大きなやりがいを感じることができた。そして、私はこのボランティアで、とても大切なことを学んだのた。
 ボランティアのときに私を担当してくれた人が、サロンについてたくさんのことを教えてくれたのだが、それはどれもびっくりすることばかりだった。ここで料理を作っている人たちは、私と同じボランティアでお給料は貰っていないそうだ。私は、てっきりお給料を貰っていると思っていたので、とても驚いた。なぜ、ボランティアなのかというと、食事代に加えて人件費もかかってしまうと、料金は自然と高くなってしまい、高齢者にとって行きやすい場所ではなくなってしまうかもしれないからだ。それは避けたくて、ボランティアという手段を選んだそうだ。また、少し前に新型コロナウイルスが流行して、いろいろな場所が一時休業したことがあった。しかし、このサロンは時間短縮こそあったものの、休業する事はなかったそうだ。その理由は、このサロンが休業してしまったら、高齢者がみんなと関わる場所がなくなってしまうからだそうだ。このサロンでボランティアとして働いている人たちは、ここに来る高齢の人たちを大切に思っている。そして、このサロンを使っている地域の高齢者もサロンを必要としている。私がボランティアで学んだことは、誰かを大切に思うことだ。誰かに必要とされたら、それに応える。この関係はお互いが信頼し合い、お互いを大切に思う気持ちがないとできない。だから私は、この関係に憧れ、自分もそうなりたいと思った。
 「『ふくし』ってどういう意味?」
 「人を幸せにするってことじゃない?」
 私が小学生のときに少し大人びた友達に福祉とは何かと聞いたことがある。その友達は、「人を幸せにすること」ではないかと言っていた。それが正しいことなのか、今になって気になったので、福祉の漢字の意味を調べてみた。福祉の福とは「幸い。しあわせ。さいわいする」という意味で、幸せを表すことがわかった。そして、祉とは「天のくだす福が身にとどまる。さいわい」だそうだ。福祉の福も祉も「幸せ」という意味だった。つまり、福祉は幸せってことなんだなぁ、と私はなんとなく思った。
 では、「福祉は幸せ」とはどういう意味だろう。幸せと福祉は同じ意味で使える言葉ではない。幸せは形容詞、福祉は名詞である。つまり、「私は幸せです」を「私は福祉です」と言い換えることはできないということだ。では、「福祉は幸せ」とはどういう意味だろう。自分の「福祉は幸せ」という考えが合っているかもわからない。なのに、どういう意味か、ということだけが頭の中をぐるぐる渦巻いていた。福祉を知っていたら幸せ?福祉があると幸せ?では福祉がなかったら幸せではないということ?
 長い間考えた結果、私が思う「福祉は幸せ」とは、「福祉を意識できたら幸せ」であった。私は、福祉は「ふだんのくらしのしあわせ」のふくしだということを聞いたことがあった。だから私は、普段の暮らしで幸せなところを見つけることができたら、自然と「自分は幸せ」と思えるのではないかと考えたのだ。そして、私が思う、普段の暮らしの中で「幸せ」だと感じるべきことは、自分が誰かに必要とされているということだ。
 私は、この世界で誰にも必要とされない人はいないと思っている。誰もが誰かや何かを必要としている。高齢者が地域のサロンを必要としているように。誰かに必要とされることは幸せなことだ。私は、誰かに必要とされたら、その人を幸せにするためにそれに応える。そして、そのことを幸せなことだと捉えられるような人になりたい。誰かを大切に思いたい。私はこの夏休みにそう思えるようになった。

入選者インタビュー

Q.入選と聞いて率直な感想を聞かせてほしいです

A.ボランティア体験をしたことで、入賞することができ、みなさんに評価されてよかったなと思いました。

Q.ボランティア体験を通じて、どんなことを感じましたか

A.サロンのスタッフさんが地域の方々を大切に思っていることが伝わってきました。利用者さんだけでなく、スタッフさん同士も互いに思いやりの気持ちを会話や行動のなかで感じました。わたしも誰かを大切に思えるような人になれるようになりたいです。

Q.最近、幸せと感じたことを教えください

A.部活のチームメイトに「チームを明るくしてくれて、助かっているよ」と 声をかけてもらったときです。自分がチームメイトに必要とされていて、役に立てているんだなあと思いました。とても嬉しかったです。あとは、寝ることが好きなので、幸せを感じます。

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